「あの子はもう歩いているのに、うちの子はまだだな…」
子育てをしている中でそんな不安を持つことはありませんか。
子育てに一生懸命なほど、周りの子と比較してしまい悩んでしまうことがあります。
そんな悩みを減らすため、「運動発達」を知ることが有効です。
運動発達とは、赤ちゃんが歩けるようになるなど運動面の成長過程のこと。
誰でも使える知識として小児の理学療法をした経験をもとに解説します。
シリーズで紹介していく、第1回の今回は【仰向けから寝返り】です。
仰向けからの寝返りを知る利点
仰向けからの寝返りを知る利点として大きく2点あります。
1)生まれてすぐから赤ちゃんとの変わり方のパターンが増やせる
2)手遊びを育てることが出来る
1)生まれすぐから赤ちゃんの関わり方のパターンが増やせる
生まれちゃんが初めてベットの上でとる姿勢が「仰向け」です。
そして、最初にできるようになる運動が「仰向けからの寝返り」です。
自分で寝返りが出来るようになるまでは仰向けでいる時間がほどんどです。
特に寝ている時間が多く起きている時間は短いです。
そんな中でも声掛けをする、おもちゃを鳴らすなどで一緒の時間を過ごすと思います。
声掛けや音楽は赤ちゃんにとって音の刺激を脳で感じるでとても大切なことです。
さらに、この後の動き方を知ることで左右から声をかけるなど意味を足すことが出来ます。
2)手遊びを育てることが出来る
赤ちゃんにとって「仰向け」と「うつ伏せ」では成長の中でのポイントが変わります。
仰向けでいる時をイメージすると…
メリーで遊んでる。自分の足を持っている。
など手を使っている光景が浮かびやすくないですか?
成長の中で体幹がしっかりして手が自由になっていく「手の巧緻性」の意味が強いです。
仰向けから寝返りをするように促すことで手も器用になる要素も含まれます。
※うつ伏せは「移動運動」の意味が強いです。これはうつ伏せの回に説明します。
仰向けから寝返りをするまでの仕組み
具体的に生まれたばかりの赤ちゃんが仰向けから寝返りをする段階を解説します。
各段階で自分の意志で動かそうとしている部位を大切にしてください。
これを知ると、遊びの中でできることが増えているかがわかります。
〈ポイント〉
1)初めて自分でする動きは顔を左右に動かすこと
2)左右を繰り返してみていくことで真ん中を覚える
3)顔、手、足の順に興味があるものに近づく
1)初めて自分でする動きは顔を左右に動かすこと
仰向けでいる赤ちゃんはバタバタと動いているのはイメージできるかと思います。
この動きの多くは勝手に体が動いてしまう「反射」によるものです。
そんななか、初めて自分で動かそうと思って動かすのが「顔」です。
なんか動いた!
なんか音がした!
周りからの刺激に赤ちゃんは興味深々です。
まずは顔を向けてそれに反応します。
顔につられて手足も動いていますが、興味とは関係ない曲げ伸ばしの動きが主です。
顔の向きも子供によって最初から左右向きやすい方向があります。
例えば普段右を向いている子は、左には向けるけど短時間で右に戻ります。
自分の子供、周りの子供を見る機会があれば見てみてください。
2)左右を繰り返してみていくことで真ん中を覚える
赤ちゃんは起きている間、興味に対して全力で顔を左右に繰り返し動かしています。
左右得意な方を向くことが多い動きから、繰り返しの中で左右同じ割合になります。
生後3か月頃になるとまっすぐ天井を向いていれるようになります。
体の真ん中を覚えたということです。これがとても重要です!
真ん中の姿勢を保つくらい体幹が強くなったということです。
体幹が強いと手足に余分な力が入らず自由に動かせるようになります。
<実際の赤ちゃんの動き>
体の真ん中で手を合わせる。おもちゃで遊ぶ。
両足を持ち上げて両足を触る。
手の届く範囲が増えるので自分の体を知るきっかけにもなります。
手を使う頻度が増えるので「巧緻性」「器用さ」の向上になります。
3)顔、手、足の順に興味があるものに近づく
1)、2)を踏まえて、自分で動かせる部位が広がることで動きが大きくなっていきます。
〇生後すぐ
→左右に顔を向けて興味を示す。
〇生後すぐ~2か月頃
→右にあるものには右に顔を向けて、右の手を伸ばす。(左も同様)
〇生後3か月頃(体の真ん中を覚えて以降)
→徐々に左の手を右に伸ばせるようになる。(左も同様)
このように徐々に顔、手と興味に対して動かすことが増えていきます。
手でも届かないと感じた時に、より全身で動いた結果足も動かします。
これが寝返りのきっかけになります。
そのほか、仰向けで両足を触っていてぱたんと右または左に倒れることもあります。
子供らにとっては偶然できたことが、次出来るにつながることはよくあります。
遊ぶときのポイント
仰向けから寝返りまでの動きを踏まえて、実際の遊ぶ時のポイントを解説します。
生後0~2か月 左右からの刺激を意識
生後2~3か月 真ん中からの刺激を意識
生後3か月(真ん中を覚えて以降) 届きそうで届かないを意識
生後0~2か月 左右からの刺激を意識
この時期は左右に顔を向けることが一番の練習になります。
特に、普段向いてる方向を確認!
普段右を向いていることが多い子は左に向くような刺激を増やすことが大切。
刺激もおもちゃの音楽、風、布の感触など試して好きなことを探してみてください。
生後2~3か月 真ん中からの刺激を意識
左右の動きが増えてきたら次は真ん中の練習です。
仰向けの赤ちゃんの上から刺激を入れてみてください。
声掛け、おもちゃのほかにガーゼの布で仰いであげるのも好きだったりします。
手を伸ばして真ん中で入れる時間が伸びているかな?
両手で真ん中に手を伸ばしてきているかな?
などを見ながら遊んでみてください。
生後3か月(真ん中を覚えて以降) 届きそうで届かないを意識
真ん中で遊べるようになったらより動きを大きくする練習です。
おもちゃなど好きなものを手に当てて興味を持ったら距離感が大切です。
届きそうで届かない。そんな位置で興味を引いてください。
大切なのは届かせないことではなく、頑張る気持ちを持続させること。
途中であきらめても必ずおもちゃは手渡してあげてください。
まとめ
運動発達を知ろうということで、仰向けからの寝返りについて説明しました。
顔、手、足と自分で動かせる範囲が広がっていくことを知れるとより遊びが充実します。
いいろんな刺激を意識して楽しんで遊んでみてください。
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お気に入りを見つけて楽しく子育てをしましょう。
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