「あの子はもう歩いているのに、うちの子はまだだな…」
子育てをしている中でそんな不安を持つことはありませんか。
子育てに一生懸命なほど、周りの子と比較してしまい悩んでしまうことがあります。
そんな悩みを減らすため、「運動発達」を知ることが有効です。
運動発達とは、赤ちゃんが歩けるようになるなど運動面の成長過程のこと。
誰でも使える知識として小児の理学療法をした経験をもとに解説します。
シリーズで紹介していく、第2回の今回は【うつ伏せから寝返り】です。
うつ伏せは注意が必要
「うつ伏せ」は一般的には嫌煙されがちです。
それは「乳幼児突然死症候群」による事例が時折見られるからです。
赤ちゃんを触れる動かすことの怖さもあるかと思います。
しかし、リハビリの視点からうつ伏せでいることはとても重要と感じていました。
「赤ちゃんのうつ伏せで寝てしまう」ことさえ予防できればうつ伏せ事態は可能です。
ですが、リスクを避けるために赤ちゃんのうつ伏せをする際の注意点として
・起きている時間内で行う
・表情を確認(苦しそう、顔が赤い、表情が乏しいは中止)
・1回ずつのうつ伏せは短時間(本人の様子に合わせて数分~)
・子供の近くを離れない
上記の4点を厳守している上での説明になります。
また、うつ伏せの姿勢を取らせることに不安が伴う場合もあります。
必ず「うつ伏せの時間」を確保しなければ成長に影響するなんてことはありません。
仰向けの姿勢でも赤ちゃんは自分の興味で自然にうつ伏せになることを獲得します。
安全面、気持ちの余裕があることを踏まえたうえで参考にして頂きたいです。
うつ伏せからの寝返りを知る利点
うつ伏せはから寝返りを知ることの利点として2つあります。
1)赤ちゃんが自分では取れない刺激を入れることが出来る
2)移動運動の始まりになる
1)赤ちゃんが自分では取れない刺激を入れることが出来る
寝返りをできるようになる前の赤ちゃんは自分でうつ伏せは取れません。
ですが、生後すぐからうつ伏せをとることも赤ちゃんにとって様々な刺激となります。
- 顔、お腹が床と接することで安定して落ち着く
- 顔を上げることで視野が広がる
うつ伏せならではの刺激も脳の発達のためにも重要になります。
怒ったり、まったりしてたりといった普段と違う反応もみるこが出来ますよ。
2)移動運動の始まり
うつ伏せが仰向けと一番の違うのは頭や体を重力に対して持ち上げることです。
床にくっついている一番低い姿勢から、徐々に体を持ち上げれられるようになります。
うつ伏せ、手支持、四つ這い、そして歩くなど徐々に高度な移動になっていきます。
このため、うつ伏せの成長は「移動運動」に重要とされています。
うつ伏せから寝返りをするまでの仕組み
仰向けからの寝返りは姿勢を変えるためといった要素が多いです。
対して、うつ伏せからの寝返りには「移動手段」といった要素が見られやすいです。
赤ちゃんは四つ這いのような前進が出来るまで時間がかかります。
それは、手を交互に出せるといった動きが難しいからです。
前進が出来るようになる前の移動手段が「寝返り」になります。
具体的に生まれたばかりの赤ちゃんが仰向けから寝返りをする段階を解説します。
〈ポイント〉
1)重たい頭を持ち上げる
2)左右を向いて重心移動
3)肘を伸ばして支える
1)重たい頭を持ち上げる
赤ちゃんは成人に比べ体に対して頭が大きいですよね。
なので頭を持ち上げるのは大変です。
生後0~1ヶ月では顔を動かすように声掛けしてもできないこともあります。
でも繰り返しの中で床に顔をこすりながらもできるようになります。
この時体を反らせながら頭を持ち上げること経験します。
体を反らせる力がついてい来ると手に余裕が出ます。
生後1~2か月は手を床につけて動く練習を始めます。
生後3か月ほどで両方の腕を床につけて支えとして顔を持ち上げます。
手を支えとして使えると、顔を持ち上げて保つ時間が長くなります。
これが視界の広がり、次に興味を探せるようになります。
2)左右を向いて重心移動
生後3か月頃からうつ伏せで顔を持ち上げる時間が伸びると左右に顔を向けます。
左右に顔を向くことで手の支えに大きな変化があります。
それが「重心移動」です。
具体的には、顔が右向きだと左手の支えが強くなります。
反対に、顔が左を向くと右手の支えが強くなります。
ややこしく感じますが、右にあるものが欲しくい場合をイメージしてください。
顔は右を向いて場所を確認して、右手を伸ばしませんか?
この頃の赤ちゃんは考えて動いているわけではないですが
一生懸命もぞもぞと動いている中で左右に重心移動をすることを経験します。
これが、後々の片手で支えることや最終的な移動手段に繋がります。
3)肘を伸ばして支える
左右に顔を向ける時期と一緒に、少しずつ肘を伸ばせるようになっていきます。
最初の頃はほんとに手足をもぞもぞ動かす内にたまたま肘を伸ばすようになります。
肘を伸ばして体を支えると高さが出るので、偶然コテンと左右に倒れます。
これが寝返りのきっかけになります。
興味のあるものに近づこうとしてではなくたまたまなので繰り返しはできないです。
繰り返していくと、両手をついて体を反らして持ち上げられるようになります。
手支持と呼ばれる姿勢です。
この手支持で余裕ができると赤ちゃんは自分の意志で左右を選び転がります。
またうつ伏せから起きて寝返りを繰り返していくことで「移動手段」として獲得します。
遊ぶときのポイント
うつ伏せから寝返りまでの動きを踏まえて、実際の遊ぶ時のポイントを解説します。
生後0~2か月 左右からの刺激を意識
生後2~3か月 目線の高さに合わせた刺激を意識
仰向けからうつ伏せになれるように刺激を意識
生後0~2か月 左右からの刺激を意識
生後0ヶ月としてますが、時期に決まりはないです。
うつ伏せ遊びを試そうと思ったタイミングでいつでも参考にしていただけます。
最初は仰向け遊びと同様に左右の声掛けを意識してください。
左右に向けて顔を動かすことに全身を使います。
興味を引くものを探しながら動く様子を見てください。
生後2~3か月 目線の高さに合わせた刺激を意識
この時期から、うつ伏せでいることにも慣れてきます。
顔を上げる時間が伸びて、高さも徐々に出てきます。
目線の先を確認して、これまでの左右の刺激も継続してください。
合わせて高さを付けることでより手を伸ばして支える練習になります。
仰向けからうつ伏せになれるように刺激を意識
偶然の寝返りが出来るようになったころからのポイントです。
一回できると、赤ちゃんは何とな同じ動作が出来るようになってきます。
うつ伏せから寝返りをして仰向けになる。
また仰向けからうつ伏せになるように興味を引いて誘導をしましょう。
これの繰り返しが寝返りでの移動に繋がっていきます。
意欲が大切なのでちょっと離れたところに好きなおもちゃを置くのも一つです。
部屋を広く使って試してみてください。
まとめ
今回は、うつ伏せからの寝返りについて解説しました。
前回の仰向けからの寝返りと合わせて行うとより移動に繋がりやすいです。
移動ができると誤飲等のリスクも増えるので対策しながら楽しんでみてください。
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